蝶の羽ばたき

「元の自分に戻るため」の一歩を踏み出した、結構いい歳の私の記録。なんでも書きます。

ケアハラスメントの問題に触れて

こないだテレビで「在宅ケアの現場におけるケアハラスメント」を特集してるの見た。

最初の方見逃したんだけど、どうやらケアサービスの利用者さん側がケアする側に暴言を吐いたり暴力的な行為をしたりとハラスメントをすることがあるのが問題になっているそうで。他にも無理なことを要求されたりなどいろいろあるみたいだった。

 

ケアする側としては、現場のスタッフさんをもちろん守らなくちゃいけない。ハラスメントを受けた人の中にはそのことを周りに言えずに耐えてしまって、結果的に介護職を辞めざるをえない人も多いそうだ。ハラスメントに気づけても、利用者さんやその家族に「やめてください」と何度も訴えてもダメで、結果的に契約を打ち切らざるを得ないこともあるそうだ。だけど、ひとつの事例として、ハラスメントが原因でケアを打ち切って家族だけのケアになった人が、その後肺炎を起こしてしまって、ケア側は責任を感じてしまったということも紹介されていた。

 

そして、家を訪問するスタッフの中で、利用者さんの娘さんから毎回ひどく怒鳴り散らされて怖い思いをしていたという経験を持ってた人がいた。女性が怒鳴ってもそんなに怖くないと思うかもしれないんですけど、本当に怖いんです、と仰っていた。でもその人はその娘さんの様子の変化に気づいたそうだ。髪がボサボサのままだったり顔がやつれていたり。それに気づいた時「怒鳴り声が悲鳴に聞こえてきた。これはもしかしたら私に怒っているんじゃないのかもしれない」と思え、その娘さんの話をしっかり聞いて寄り添うことを取り入れたそうだ。

 

利用者側にも、ハラスメントをする背景があるかもしれない。その思いを元に、ハラスメントをする利用者さんたちの話を聞いていったり、介護士だけじゃなくてケアマネージャーさんや理学療法士さんや他の職種の人たちも一緒にチームを組んで、1人に負担がかからないようなケアをする、などなどいろんなアプローチをされていた。利用者とケア側の人たちが医師と一緒に率直な意見交換ができる場を設けている事例も見た。

 

誰かのケアをするって私の想像を超えて大変なことだと思うし、される側にもいろんな背景があるのは理解できる。

だけど、私はこのテレビを見た時に腹が立って仕方がなかった。

 

どうして、ハラスメントする側の事情を汲んであげないといけないの?

暴言や暴力は絶対いけないこと。それをしてしまってるのに、なんでそれでもケアしてあげなきゃいけないの?

事情があったら、何をしてもいいの?

 

以前から感じていた。

事件が起こるとメディアが報じる。その時に、絶対加害者側の動機や事件が起こった背景なども報道する。

なんで、事件を起こした側、悪いことをした側の事情や過去を見てあげなきゃいけないの?どんな事情があっても事実は「悪い事をした」なんだから。それで「可哀想だ」とか「事情があるなら仕方ない」って思えっていうの?

 

私は絶対思えない。

(刑罰を決めるために調べるのはわかる)

 

なんで悪いことをしたのに寄り添ってもらえる人がいるの?

その悪いことで傷ついた人や影響を受けた人がいるのに、なんで?

私は頑なにそう思って、すっごい腹が立った。

 

しばらく怒っているうちに、昔のことを思い出した。

子どもの頃学校でいじめられたこと。

最初の会社で先輩に酷いことを言われたり、上司からパワハラを受けたこと。

あの時、誰も私には寄り添って助けてくれなかったのに。いじめた側もパワハラ上司も容認されて、私が何を訴えても取り合ってもらえなかったのに。

やった側の事情なんて知るもんか。ハラスメントをしておいて、許されて、助けてもらえるなんて、許せない。

 

公平じゃない。

 

今でも、この怒りはなかなかおさまらない。

でもなんとか落とし所を見つけようとは思ってる。

みなさん、ケアハラスメント問題について、どう感じるか聞いてみたいなぁ。