蝶の羽ばたき

「元の自分に戻るため」の一歩を踏み出した、結構いい歳の私の記録。なんでも書きます。

ごめんね、お母さん

私のお母さんは、還暦にもならないで、病気で亡くなってしまいました。

 

もう何年も経っているのに、最近お母さんのことをすごく想っている自分がいます。

何でかなぁ、命日が近いとかでもないのになぁと思っていたけども、自分の結婚が現実のものとして近くなっているからかも、と思い当たりました。

 

お母さんは、(本当の本当の本心は分からないけど)お父さんとの結婚に苦労した思いが少なからずあって、私や妹にも愚痴をこぼしていたし、私には「結婚なんていいものじゃないんだよ、あなたは大人になっても結婚なんてしなくてひとりでも生きていける術を身につけなさいね」と何度も言っていました。

お母さんとよく電話で話していた伯母も、自分の夫(私のお父さんのお兄さん)との結婚に苦労や不満がたくさんあって、その話も幾度となく聞いていました。

 

私の中で、そんなに意識してるつもりはなかったけど

 

結婚したら苦労する。

結婚したら女性はちからを無くす。

結婚したら幸せではなくなる。

 

そんな図式が、思いのほか堅く深く刻まれていたのかもしれません。

 

私自身も、今のパートナーと出会い付き合うまでは、障害のこともあって、一生ひとりで生きていけるように頑張っていくつもりでした。

男性に頼って暮らしを成立させることは、お母さんや伯母のように苦しい思いをすることなんだと、心のどこかで思っていました。

 

だから、今のパートナーと結婚を考え始めた時から今まで

 

こんなにも愛していて一緒に生きたいと思える人がいる幸せと、でもお母さんは苦労していたのに私が幸せになっていいのだろうかという罪悪感や不安とが一緒に何度も押し寄せて、「結婚したい」となっても心が定まりきらず、自分から「もう少し準備したい」とか「今はまだ時期じゃないかも…」などと言っては先延ばしにしてきたんですね。

 

 

でも去年あたりから、パートナーとの絆が更に深まり続けて、2人の関係がより良いものになっていき、「2人で一緒に頑張って生きていこう」という意志が揺るぎないものになりました。

 

それで、ご両親への挨拶も進んだし、顔合わせも近々もいうところなのですが、そんなイベントが進む中、私の中ではお母さんのことが折に触れて思い出されていました。

 

お母さんがあれだけ苦労した結婚。

そして、亡くなるにはまだ若い年齢で亡くなってしまったお母さん。

きっとまだまだやりたいことや行きたいところがあったのに、出来なかった。

 

私は、お母さんを救えなかった。

病気からも、結婚の苦労からも救ってあげられなかった。

娘たちの手が離れたら離婚したいと言っていたのに、その前に病気になってしまって、お母さんは自由を得られなかった。

病気も治してあげられなかった。元気にしてあげられなかった…

 

そんな私なのに、愛する人と結婚してしまう。

私がこれから苦労しないというわけではないにしても、お母さんのことを差し置いて、私は私の幸せを追ってしまう。

 

ごめんね、お母さん。

 

本当に、本当に、ごめんね。

 

よく、愚痴の最後に言ってくれていた。

結婚してよかった唯一のことは、あんたたちを産んだことだって。

私は理想の娘ではなかったかもしれないね。

勉強も運動もできなかったし、お母さんには知らせられなかったけど発達障害もあった。

それでも、お母さんはずっと、お母さんでいてくれた。

 

お母さん、ごめんね。

お母さんを妻という立場から解放してあげられなくてごめん。

苦しい病気を治してあげられなくてごめん。

自慢できるような立派な娘になれなくてごめん。

ごめんなさい…

 

今はまだ、ごめんなさいの気持ちに浸らせてね。

私のことだから、きっとそのうちまた前を向くから。

 

私は、お母さんの子だからね。


f:id:mymaiabee0901:20220915175023j:image