蝶の羽ばたき

「元の自分に戻るため」の一歩を踏み出した、結構いい歳の私の記録。なんでも書きます。

安全か、挑戦か

先日お手伝い&参加させてもらったピアノの発表会について、昨日先生と振り返りつつお話をしていて、印象に残ったエピソードがあるのでちょっと書いてみます!

 

小学6年生の女の子、Yちゃんのこと。

(本番の時、黒いレースのワンピースドレスで、背も高いし、まさか小6だとはとても思わなかったよ…大人っぽいしスタイル抜群だ!)

Yちゃんは、発表会に出るって決めた時に、別のジブリの曲がもう上手に弾けるようになっていて、その曲を発表会でも弾く予定だったのだそう。

でも、発表会までもうあまり時間がなくなって来た頃、Yちゃんは、本当は以前から憧れていたクラシックの曲を弾きたいのだと先生に話したそうです。

ショパン仔犬のワルツ。ピアノを習うなら、憧れる子は多いであろう有名曲。

Yちゃんは、今上手に弾けている曲よりも、自分が心から弾きたい、と思う曲にチャレンジすることを選ぼうとしていました。

 

そこで、Yちゃんの壁になったのは、お母様だったそうです。

お母様は、今更難しい曲にチャレンジするよりも、すでに上手く弾ける曲を弾いて欲しかった。舞台の上で失敗するリスクが高い道よりも、より安心な道を選んでほしかった。

親心なのだろうなぁと想像します。我が子に大勢の人の前で失敗して悲しい思いをしてほしくない、それはお母様なりにYちゃんのことを思ってのことだったのだと思います。

 

しかし!Yちゃんはお母様の反対を押し切って、自分が弾きたい曲にチャレンジすることを決めました。

発表会まであまり時間がなかったそうですが、猛練習を重ねて、本番では立派な仔犬のワルツを披露していました✨

本人としては失敗したし、引き終わって楽屋に戻ってしょんぼりもしていたらしいのですが、先生は言ってました。

 

「技術的な失敗はあったかもしれないけど、挑戦してやり遂げた経験に失敗なんかないのよね😊」

 

どうしても、弾いていると技術的な失敗がすごく気になります💦ミスタッチしちゃったり、思うような強弱が出なかったり、音色が思い通りにならなかったり…それは弾いている本人が一番わかっているんです。

でも、それは失敗のうちには入らないと先生は仰ってました。特に若い子ならなおさら。

それよりも、自分で選び、自分で決めて、自分で挑戦する。そうすると、人は必ずその経験から得られるものがある。経験自体が成功だったとしても、失敗だったとしても、そこから必ずなにかギフトがある。

Yちゃんも、「自分で決めたことだから、失敗はしたけど納得はしてる」と話していたそうです。反対していたお母様も、そのYちゃんを見て、やってよかったんだと思えたそうです。

 

特に大人になってくると、先のことを考えたり、周りのことを考えたりして、物事を選んだり、やらなかったりすることって増えると思います。

「失敗が少ない道を」と思うことも増えるのではないでしょうか。私もそう。

周りの人がそれを言ってくることもあるかも。「こっちの道の方が安全だよ」と。

私も何かを決める時にそういう事が結構ありました。進路や就職、結婚。家族や近しい人は、「苦労、涙が少ない道」を選ぶように薦めてきました。私もそのアドバイスに揺れ動きました。

でも結局、私もYちゃんのように、最終的には自分が選びたい道を選んできたように思います。

そうしなかった時は、やっぱり後悔が残りますしね。

 

安全な道か、挑戦の道か。

私の心にも響いたエピソードでしたし、挑戦の道を選んだ勇敢なYちゃんに、心の中で再度拍手を送ったのでした👏